10年前に作ったまま、ほとんど触っていない。困ってはいないし、それで店は回っている。だから後回しになる。ここまではよくある話です。やっかいなのは、放置の損失が「来なかったお客さん」の形で現れることです。来なかった人は文句を言わないので、気づく機会がありません。
1. 信用が、静かに下がる
今のお客さんは、店に行く前にまず調べます。紹介された店でも、チラシを見た店でも、名前で検索してから決めます。そこで出てきたホームページが、スマホで文字が読めない状態だったとします。多くの人は「読みにくいな」と思うだけで済ませません。「この店、今もやっているのだろうか」と考えます。
これが最も見落とされている損失です。技術の話ではなく、印象の話だからです。腕のいい職人が、古いホームページのせいで「やる気のない店」に見えてしまう。実際の仕事とホームページの印象が食い違っていることに、本人だけが気づいていないという状況が起きます。
特に誤解されやすいサイン
- 「新着情報」の最終更新が2015年で止まっている ── 閉店したと読まれます
- フッターの著作権表記が古い年号のまま ── 同上です
- 営業時間や定休日が今と違う ── 実際に行って閉まっていた人は、二度と来ません
- トップページに何も表示されない ── Flashが使われていた場合に起きます
2. 検索で、見つけてもらえなくなる
Googleは2018年から、スマホ版のページを基準に検索順位を決めています(モバイルファーストインデックス)。つまり、パソコンで立派に見えていても、スマホで崩れているサイトは、その崩れたほうを評価されているということです。
加えて、表示の速さや読みやすさも順位の材料になっています。古いサイトは画像が重いまま、文字も小さいままのことが多く、この面でも不利になります。
ここでも損失は見えません。「検索で3位から15位に落ちた」ことに気づく店主は、ほとんどいないからです。電話が少し減ったな、という感覚だけが残ります。
3. 安全とコストの問題
「保護されていない通信」の警告
アドレスが http:// で始まるサイト(https:// ではない)は、ブラウザのアドレス欄に「保護されていない通信」「安全ではありません」と表示されます。これを見た人が問い合わせフォームに個人情報を書くことは、まずありません。
放置されたWordPressは、乗っ取られることがある
WordPressで作られていて、何年も更新していない場合は注意が必要です。古いプログラムの弱点は公開情報になっているため、機械的に狙われます。乗っ取られると、自分の店のサイトが知らないうちに広告や詐欺サイトへの入口として使われ、Googleから警告表示を出されることがあります。そうなってから気づく、というのが典型的な流れです。
誰も管理していないサーバー代
「作った業者と連絡が取れない」「サーバー代だけ毎月引き落とされている」という状態も珍しくありません。この場合、直したくても手が出せない、ということが起こり得ます。
逆に、放置していい場合もあります
すべての店が作り直すべきだとは思いません。次のどれかに当てはまるなら、急ぐ必要はないでしょう。
- お客さんが完全に固定で、新規を受け入れる余裕がない
- 数年内に事業をたたむ予定がある
- ホームページを見て来る人が、実際にほぼいない(アクセス解析で確認できているなら)
逆に、新しいお客さんに来てほしいのであれば、調べられたときに見られるページは、店構えと同じ意味を持ちます。看板が壊れていたら直すのと同じことです。
まず、現状を確かめてください
今のホームページがスマホでどう見えているかは、ご自身のスマホで開けばすぐ分かります。確認方法をまとめた記事もご用意しました。
その上で、直したらどうなるかを見たい場合は、当サイトで今のアドレスを入れるだけで作り直し版がその場に表示されます。見比べてから考えていただければ十分です。